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No.3 バベルの塔 (ベルギー王立美術館蔵)  
ヨース・デ・モンペル2世 〈Joos de Momper II〉 
フランス・フランケン2世 ‐Frans Francken II

これはアントワープで16世紀の末から17世紀にかけて活躍したヨース・デ・モンペル2世の描いた「バベルの塔」です。ベルギー王立美術館の2階に展示されてあります。彼のおじいさんとお父さんも画家で、彼は風景画家として、後にルーベンス工房でも仕事をしました。彼は山の風景を描くのが得意で、この「バベルの塔」では、彼は山の代わりにバベルの塔を描き、苦手だった人物はフランス・フランケン2世という別の画家に描いてもらいました。

ところで、「バベルの塔」といえば、ブリューゲルの描いたものが有名です。ウイーンにある大作と、ロッテルダムにある小さい目のサイズのものと2作あります。ブリューゲルの「バベルの塔」では、塔の上の方はまだ未完成だったのですが、半世紀もたって描かれたこの作品では、ずいぶん建設が進んで、塔は雲をつきぬけて今にも天に届きそうです。

塔の左右と上の方には、青い天然の同鉱物アズライトが使われて、周囲の空と溶け込み、山のように大きい塔であることが強調されています。そして、塔のまわりには何十ものレンガを焼く釜があって、そこからいきおいよく煙が出ています。

中央に見える赤い帯びのような部分は、焼きあがったレンガの山です。また画面前面では、バビロニア王国のニムロド王が、右端の図面を持った建築家から説明を聞いています。王の行列の最後には、呪文を書いた紙を額に張り付けた異端の神学者の姿もあります。

また面白いことに、その行列に中に、捕らわれの身となったサルの姿が見えることです。これに似たサルは、ブリューゲルの作品にも「アントワープの町と二匹のサル」というのがありました。キリスト教絵画のなかでは、サルは愚かなものや捕らわれ者と言った意味がありました。

この絵の解説で誰もが見落としてしまうのは、左に描かれた十字架のない教会です。キリストが生まれる前の旧約聖書のお話ですから、十字架がなくっても当たり前ですが、ここにあえて十字架のない教会を描くことで、神を恐れぬ者の傲慢さも暗示しているようです。


 (絵画はクリックすると拡大します。別ウィンドウで開く場合はここをクリックしてください。)

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森 耕治

著者: 森 耕治 (もり こうじ)
美術史家 ベルギー王立美術館専属公認解説者、ポール・デルボー美術館公認解説者、 京都出身、 5歳のときから油絵を学び、11歳のときより京都の 川端 紘一画伯に師事。水墨画家 篠原貴之とは同門。
ソルボンヌ、ルーブル学院、パリ骨董学院等に学び、2009年よりマグリット美術館のあるベルギー王立美術館に日本人として初の専属解説者として任命され、2010年には、ポール・デルボー美術館からも作品解説者として任命された。フランスとベルギーで年10回に及ぶ講演会をこなす一方、過去に数多くの論文を発表。マグリット、デルボー、ルーベンス、ブリューゲル、アンソール、クノップフ等の研究で、比類なき洞察力を発揮。そのユニークな美術史論と独特な語り口で、雑誌「ゆうゆう」NHKの「迷宮美術館」、今年2月の日経新聞のマグリット特集、ベルギー国営テレビ等マスコミの注目を集める。【お問い合わせ先


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