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連載:人ありき
作り手から“美味しさ”の秘密お届けします。                       【2011-10-17】
No.1 こだわり職人のお菓子にかける熱い想い
「食」に関する連載を始めさせて頂く事になりました、小野島ゆかりです。
まず第一回目は、私の専門分野であります「パティシエ」をとりあげました。

10月20日よりパリのポルト・ドュ・ベルサイユ展示場で開催される「Le Salon Du Chocolat PARIS 〈サロン・ド・ショコラ・パリ〉」に出場される日本のスタッフが、出品されるショコラ(チョコレート)などをベルギーで制作中という情報を頂き、お話をお伺いにアトリエにお邪魔させてもらいました。サロン・ド・ショコラは、日本から3店が招かれていて、その1店「es koyama〈エス・コヤマ〉」さんが、ワーテルローに有るDUCOBUさんのアトリエで大変忙しく仕込みをされていました。

パティシエの原田洋二さん(写真右)パティシエールの白坂優子さん(写真左)です。

お二人共、兵庫県に有りますes koyamaで働いていて、原田さんはマカロンの責任者を、白坂さんはショコラの責任者をされています。

今回このお二人が日本から派遣されて18日までに出品される全ての商品をこちらベルギーで仕込むそうです。

なぜフランスではなく、ここベルギーのDUCOBUさんになったかの理由は、以前ここで働いていたショコラティエのマレンさんが日本のes koyamaでスタージュ(研修)した時にお世話になったのがきっかけで、今回の小山氏(es koyamaのオーナー)の申し出にDUCOBUさんが恩返ししたという事だそうです。

通常なら日本で作った物をヨーロッパに持ってきますが、彼らは違います。それにしても沢山のリスクを抱えてここで仕込まなくてはならない理由は?と皆さんも疑問に思われますよね。その訳を尋ねてみると、ん~~~納得。最近日本からの食材が検疫コントロールによりタイムリーな搬入が不可能なものがあること、そして何よりも「出来るだけ作りたてを味わって頂きたい」というお店側の想いから現地制作を選ばれたそうです。凄いですね!

ショコラは大変デリケートな素材で温度変化により味の変質がおこりやすいです。ご自宅でも16℃前後を理想に保管していただくと作りたての美味しさで味わっていただけます。お店で買って来たら直ぐに、冷蔵庫にポン・・・なんて決してしないで下さいね!(笑)

今回の制作にあたり、普段とは違う慣れないアトリエでの作業と、こちらで調達したいつもと違う材料での仕込みについてお伺いしたところ、「初めは慣れない材料に戸惑いましたが、何とかいつもと同じ状態のものを作ることが出来ている」と、ほっとした様子でお話して下さいました。さすが職人技ですね~。

実はそうなんです。卵、牛乳、生クリーム、(特に)小麦 などの一般素材が本当に日本と違い、扱いに慣れるまで時間が掛かります。お二人は、今回の作業は実際大変なことも有りましたが、いつもと違う素材に触れることが出来て良い経験になったと言っておられました。全てを自分のものにして行く過程が早いのは、さすがプロ!ですね。とても前向きな方達なので、一緒にお話させて頂いていてとても気持ちが良かったです。只今製作中のボンボンショコラなどは、お国が違うメーカー3種のショコラを匠に使い分けて色んな味に仕上げていました。ちなみに、小山氏厳選の3種のショコラにベルギーのメーカーも入っていました。

気になる出品作はこの4点。
・マカロン 6種類
・ボンボントリフ 13種類
  (新作3種 味噌、醤油、金ごま)
・テリーヌ・ショコラ(半生の焼き菓子 
   ラッピングの箱も何ともユニークで個性的!)
・バーガー(写真右:ショコラ味のサブレに
   ジャンドューャとプラリネがサンドされ
   ショコラでコーティングされた物)
今回のサロン・ド・ショコラの一般会場で販売されます。

味噌味(京味噌)のガナッシュをお味見させてもらいましたが、ん~~~美味しい!ちゃんとお味噌の味がしますがマイルドでアフターにしっかり麹を感じました。ガナッシュのキメの細かさ洗練された味噌加減がしみじみ美味しい、日本酒に合いそうなショコラです。

抹茶ガナッシュは色がとっても鮮やかな緑をしていて綺麗でした。抹茶は加工すると変色してしまいがちです。味噌も抹茶も品質の良さが感じられました。

小山氏は「地産地消」を大切にしていてよく地元のものをお使いになるそうです。日本は品質のレベルが高く、土地ごとの個性的な素材が豊富です。ベルギーでいつも素材探しに苦労している私には羨ましい限りです。

尚、商品販売の他に10月22日(土)13時~、小山氏によるデモンストレーションも行われます。当日会場でこのお二人にもお会いできます。デモンストレーションのアントルメには、京番茶を組み合わせるそうです。少し見せていただいた京番茶が入った袋からは、強烈な焙煎の香りが漂っていました。この香り、確かにショコラに合うだろうな~と思いました。日本人の心をほっとさせる和みの香り、是非食べて見たいです。

お二人にこんな質問をしてみました。

質問①「どうしてお菓子作りを仕事に選ばれたのですか?」
原田さん : 「高校時代にお菓子メーカーでアルバイトした時、パッケージされたお菓子箱一つ一つがお客様の元に届き、箱を開けて皆が喜んだり感動したりする姿を想像した。これって何て素敵な事だろうと思い、お菓子を作る仕事をして沢山の人に感動や幸せをお届けしたいと思ったからです。」
白坂さん : 「子供の頃からお菓子を食べることが大好きで、作ることも大好きでした。」

質問②「あなたにとってお菓子とは何ですか?」
原田さん:「人に元気を与えるもの」
白坂さん:「無いと寂しい生活の一部」

お二人のお話をお聞きしていると、本当に師匠である小山氏を尊敬されている様子がわかりました。小山氏に近づきたいと思う気持ちの強さも感じました。40代の小山氏は、お菓子作りに情熱を注ぐばかりではなく、人を育てることにも凄く情熱を持っておられるようで、その為とっても厳しいそうです。小山氏の厳しさは、愛情からきているとことを感じ、とても有りがたいことだとお二人共口をそろえて話しておられました。そして私もes koyamaを訪れたくなりました。何時かまた、現場で働くこのお二人にお会いしたいと思います。これからも頑張って下さい。応援しています!

今回アトリエを提供して頂いたDUCOBUさんは、サロン・ド・ショコラ・パリでは、10月20日(木)16時~、デモンストレーションを行います。

テーマは「ハロウィン」で、マスパン細工とピエスモンテの2種を披露して下さるそうです。お楽しみに!

只今DUCOBU店内にはハロウィンのマスパンとかわいらしいショコラのピエスが飾られています。

最後に私達“つくり手”も食べていただいた方々から頂く心のこもったメッセージや励ましの言葉に支えられて、作り続けていけるのだと日々思っております。今後も食にまつわる単なる情報だけでなく、この連載を通して私達作り手の想いや、現場の臨場感溢れる様子をお伝え出来ればと思っております。

今回お会いした日本の若きパティシエさん達、とっても目が輝いていました。日本は今大変な時期ですが、彼らのような人達がいるのですから日本の将来も安心かも!と、とても幸せな気分になりました。初めての連載記事・・・お菓子の生地を仕込む時と同じ様にはいきませんでした。同じ「きじ」でも随分と難しかったです(笑)。これも経験が必要ですね!

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小野島ゆかり 【著者: 小野島 ゆかり、パティシエール】
日本の菓子屋で修行をし、ホテルのパティスリー立ち上げからシェフを経験後、1997年に渡白。ブルッセル市内の菓子屋に従事。その後、結婚・出産を経て2002年よりフレンチレストランでパティシエールとして活躍。2009年末、新たなステージを目指してレストランを退職。現在はお菓子教室を開催しながら次のステップの為の充電中。得意なお菓子は、季節の果物を使ったデザート風アントルメ。愛知県名古屋市内の「”Le chapon fin” Les entremets Français」の野畑氏を師匠に持つ。

(ベル通インタビュー記事はこちらです。)


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