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 No.3 クリスマスビール
サン・ニコラの時期が過ぎ、街のイルミネーションが気になり始める頃、日本ではとても「とりあえずビール」とは言いがたいこの時期に、ベルギービール愛好家にはもうひとつの楽しみがあります。それが、クリスマスビール。地元のスーパーやお土産ベルギービール店でも、見慣れないそれらしいラベルのビールがお目見えします。

今回は少し趣向を変えて、年末・年始の特別ビールをご紹介してみましょう。

・伝統的な冬ビールとは

「クリスマスビール」とか「ウィンタービール」と呼ばれるものは、通常、アルコール度数が高めのダークビール。ホップ以外に、クローブ、シナモン、リコリスなど様々なスパイスを使い、長期保存できるように工夫した、クリスマスからお正月にかけて飲むために造る醸造所自慢のとっておきビール。その昔、長期保存技術が乏しかった頃、9月終わり頃に仕込んで天然の保存料となるスパイス類をたっぷり使い、発酵・熟成に長期間かけてアルコール度数を高め、クリスマスからお正月の時期に美味しく飲める贅沢なビールを造ったのが始まりです。

主なブランド(醸造所)

たとえば、Silly醸造所のEnghien NoëlCorsendonkのChristmas AleDu Bocq醸造所のBocq ChristmasAffligem醸造所のAffligem Noël、St. Bernardus醸造所のChristmas Aleなど。



醸造所によっては、評判がよいので通年定番商品にしてしまったところも少なくありません。たとえば、Dupon醸造所のBons VœuxDe Ryck醸造所のArend Winter(かつて名称はクリスマス・ペールエール)、Kerkom醸造所のWinterkoninkskeLefèbvre醸造所のBarbar Winter Bokなどがその例です。




・新しいコンセプトのクリスマスビールとは?

一方、ここ20年くらいのベルギースペシャルビールの再活性化によって、サンタやトナカイの絵柄などのついた新製品を開発し、「期間限定ビール」としてマーケティングし、新たなる需要を開拓している元気な醸造所もあります。

主なブランド(醸造所)

たとえば、La Chouffe醸造所のN'ice ChouffeHuyghe醸造所のDelirium NoëlVerhaeghe醸造所のChristmas-VerhaegheBoelens醸造所のSanta Bee(蜂蜜入り!)など。




・パーティシーズンにはマグナムボトルを

また、年末年始のパーティ需要向けに、1.5リットル(マグナム)、3リットル(ダブルマグナム)、6リットル(トリプルマグナム)などの超大瓶を出荷する醸造所もあります。祝いの席にこれがあると「おおお!」という存在感があり、威勢よく開栓すれば、シャンペンや樽酒のようで、しかもベルギーらしいと人気があります。

主なブランド(醸造所)

いくつかの醸造所が出していますが、圧巻の超大瓶まであるのは、DuvelSt. Feuillienというところでしょうか。トラピストでも、マグナムを造っているところもあります。


・温めて飲むビール

さて、冬季限定のレアものベルギービールというと、必ず出てくるのが、Gluhkriek(グリュークリーク)という暖めて飲むビール。味わいは、アニス、クローブ、シナモンなど複雑なスパイスが効いて甘酸っぱく、スイスやフランスの山岳地帯で飲まれるホットワインのよう。その複雑な味わいは、野生酵母も含め、数種類の酵母を使った発酵にも由来しています。

このレアものを手に入れた人は、いかにして暖めるべきか腐心されるのですが、実際、醸造所に聞いたところ、「お鍋にあけてコンロで暖めてよ」とそっけない。賞味温度は?と尋ねても「お好みで」。ウンチクの大好きなマニアックな方には、マーケティング・マニュアル通り「70℃」が最適ということにしておきましょう。ただし、あくまでも主観的。温度によって、味わいもかなり異なってくるのでいろいろお試しください。

主なブランド(醸造所)

現在はDuvel傘下に入って生き残っているLiefmans(リーフマンス)醸造所Glühkriek(グリュークリーク)が最も伝統的。最近では、Timmermans(ティママンズ)醸造所では、Warme Kriek Chaudeとして、Van Honsebrouck(ヴァン・ホンセブルック)醸造所ではSt. Louis Premium Glühkriekとして造っており、地元のクリスマスマーケットなどで飲むことができます。




・最後にもうひとつ、年に一度のご祝儀ビール


クリスマスビールというわけではなくとも、醸造所とっておきの限定ビールも楽しいもの。
それぞれの醸造所の趣向を凝らした特別の逸品をマイブランドにしたいものです。

たとえば、Het Anker(ヘット・アンケル)醸造所のGouden Carolusプレミアム商品Cuvée van de Keizer(キュヴェ・ヴァン・デゥ・カイゼル)。今では、と青の2種類ありますが、青帯のBlauwという方が元祖。毎年、2月24日、その昔このあたりを統治したシャルル5世の誕生日(とされる日)にごく限定された量だけを仕込み、4月頃から販売されますが、あくまで限定商品なので、在庫のある限り販売されます。醸造年が印刷されたラベル、コルクと留め金による打冠で木箱入りの厳かさ。マグナムボトルもあり、賞味期限は10年(保存環境さえよければ何年でも)。醸造年をラベルに入れ込んだヴィンテージコレクションもの。結婚や子供の誕生、事業の設立や社屋落成などの記念に、まとめてギフト用に購入するか、コレクション用にも最適です。

ちなみに、ラベルのデザインと話題性を追求したちょっときわどい(?)のもあります。
ひとつは、進化論すら認めたがらないお硬いアメリカの倫理コードにひっかかって、二度もTTB(米国財務省のアルコール、タバコ関連局)から米国内での販売をストップされたというのはDe Struise醸造所のTsjeeses Belgian X-mas Ale。Huyghe醸造所のお色気たっぷり Mère Noël(サンタさんは、Père Noëlなので、サンタ・ママ?)、皆さんの反応はいかに?

*ラベル写真はベルギービールJapanから。

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著者:栗田路子(くりた みちこ)
神奈川県生まれ。上智大学卒業後、外資系広告代理店勤務。米国コーネル大学およびベルギー・ルーヴァン大学にてMBA(経営学修士)取得。90年代始めから、ベルギービールの日本向け輸出・マーケティングに従事してきたが、2007年4月、セミ・リタイヤ宣言。現在は、寄稿や執筆、日本のメディアのためのリサーチやコーディネートなどを請け負っている。ベルギービールの他、教育、医療、障害児など、守備範囲は広い。 ベルギー在住。2010年にベルギービール騎士の会の「名誉騎士」に任命される。
夫とともに㈱マルチライン経営の他、コーディネータースクラブ・ベルギーを運営。障害孤児の養子縁組を支援するチャリティ「ネロとパトラッシュ基金」運営。 障害を持つ子供と供に赴任する日本人駐在員をサポートする「元気ママの会」主催。 今までの寄稿をアップしたブログはこちらから。



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